あさり

俺はアサリが大嫌いです。
しじみとか、ホタテ、あわびは大好きですけど、アサリだけは無理なんです。
なかなか噛めないし、なんかくさいし…おえーー！

でもアサリが嫌いになったのは、味や食感のせいではないんです。
幼稚園にあった、あの事件がなければ今でも食べられていたと思います。


今でもよく覚えています。
俺が幼稚園の頃、俺のことをずっと好きで、いつも俺にくっついていた女の子がいました。
最初はうっとうしいと思っていましたが、徐々にその子の気持ちに負け、
心を許すようになっていきました。

毎日ほぼずっと手を繋いでいましたし、
昼食も一緒に食べていました。
俺らはよく「はやく結婚しようね！」なんて言っていたらしいです；；

ある日、その子の態度に異変が・・・。
手は繋いでくれますが、そっぽを向いてなにか考えているようでした。

俺もガキなりに不安になりましたが、平然を装っていました。
そしていつものように
「結婚しようね！」
と言うと、その子はいいました。

「あたしね、○○くんと結婚することにしたの。」

初めての失恋でした。
今で言う「他に好きな人ができたから・・・」のことでしょう。
相当ショックであったことは覚えていますが、
その後その子とどのように接したかなどは覚えていません。


その子の名前は「有紗」ちゃん。でも俺は間違えて「あさり」ちゃんと呼んでいました。
俺らの中ではあだ名のようなものになっていましたので、相手も変に思ってはいなかったと思いますが・・・。
失恋したあと、あさりを見ると有紗ちゃんのことを思い出してしまうため、食べないようにしていたところ
いつのまにか嫌いになっていたのです。

この話は、今昼間に再放送でやってる「暴れん坊ママ」を見て思い出しました！